100点満点の就活
動物好きで社会貢献にも興味があったSさんは、数少ないペット業界を中心に就職活動をしていた。実家でも6匹もの野良猫を保護し飼っていることもあり、人一倍動物に対する思いは強く、「動物に関連する仕事」がSさんの絶対的な選社軸になっていた。 第一志望は、業界内での知名度も高く、TVCMでも度々目にするX社。 会社説明会では動物愛護に対する情熱や、働きやすい社風、入社後に着実にキャリアアップしていくことも可能であると説明を受け志望度はさらに上がった。そんなX社の採用面接では、動物に対する想いを余すことなく伝え、念願の内定を得ることができ迷わず入社を決めた。
そんな100点満点の就活に満足し、入社後を夢見る日々を送っていた内定者Sさんに、X社から1通のメールが送られてきた。その内容を見てSさんは愕然とする。
1通のメールで奈落の底に
X社からメールが届いたのは入社直前の3月中旬。その内容は入社後の配属などを知らせるものだった。 「えっ!?地方の工場への配属?そんなこと一切聞いていない」 突然のことに強いショックを受け、頭の中が真っ白になった。地方工場の配属で、さらに相部屋の社宅に入寮することも決められている。おまけに口頭で伝えられていた初任給額も3万円も低い。 「こんなはずじゃ…」不安を抱えながらも、入社直前ということもあり、慌ただしく入社前研修に参加し、配属先の地方工場と社員寮を見て驚愕した。社員寮とは名ばかりで、実態は古びた一軒家のシェアハウス。 「ここで共同生活…? 絶対無理…」 まさか入社前の説明と入社後の実態がこんなにも違うなんて。しかも入社の直前に、入社前の説明と異なる条件を伝えてくるなんて悪質すぎる。
「入社を辞退するとこの先どうなるんだろう?いったん入社したうえで転職した方がいいのか?」そんな風に思い悩んだSさんは、入社式に参加した直後ではあったが離職することを決断した。
新卒なの?既卒なの?
第二新卒なの?
「せっかく内定をもらったのに…」 ペット業界で働ける希望・明るい未来から一転、まさに奈落の底へと突き落とされたSさん。突きつけられた厳しい現実に後悔と不安で押しつぶされそうになったというが、クヨクヨ悩んでも仕方がない、就職活動を再開し自分に合った就職先をしっかりと探そうと決意する。 企業選びの基準についても改めて考えてみた。「ペット業界にこだわるばかりに視野が狭くなっていたのかもしれない」「次の就職活動では視野を広げて考えてみよう」そんな風に考え、Web検索で見つけた20代に特化した転職エージェントの相談を申し込んだ。
「でも、入社式に参加しただけで離職した私って、新卒なの?既卒なの?第二新卒なの?」「そもそも、そんな経歴(?)の応募者を面接してくれる企業なんてあるの?」と、アドバイザーとの面接当日まではそんな不安が頭をよぎり落ち着かない日を過ごした。
なくてはならない戦力になる
「私のこれまでの経緯を聞いて、アドバイザーは何て言うんだろう…」
そんな風にドキドキしながらも、これまでの経緯をありのまま話すと、
アドバイザーは思いもよらない意外な言葉をかけてくれた。
「大丈夫ですよ。Sさんに合った会社は、必ず見つかりますし、これまでの経緯も誤魔化すことなく正直にお伝えすれば、企業は理解してくれますよ」
その言葉は涙が出るほど心強かった。しかし、泣いている場合ではない。新卒就活の振り返りや今後の希望などを余すことなく伝え、その中で、「動物への思いが強い=ペット業界への就職」と考えていたが、それは表面的なもので、根底にあるのは、誰かのサポートをしたい・縁の下の力持ちとして貢献したいという思いだということに気づかされた。
そういった志向を踏まえて担当アドバイザーは事務職系の求人を3社紹介してくれた。その中の1社にSさんは強く惹かれた。
事務職の存在がなくてはならない貴重な戦力として活躍しているという点が、自分自身のパーソナリティーに合致していると感じた。そのうえ、アットホームな社風で、女性も活躍しており、産休や育休の制度が充実している点も魅力的だった。
すると、面接官の方は、それに応えてくれるかのように、私の話を真剣に聞いてくれた。
そして…
「内定です。学生時代も周りのメンバーと協力して文化祭実行委員をされていたように、弊社もチームで協力し合いながら業務を進めることが多い。Sさんの物腰の柔らかい、明るいコミュニケーション能力を縁の下の力持ちとしてぜひ生かしてください!」
こうしてSさんは採用決定となった。今は「色々あったけど、これで良かった」と、持ち前の笑顔・周囲を和やかに出来るコミュニケーション能力を活かしながら、縁の下の力持ちとして会社を支えている。
SさんとWebで初めて面談した際には「笑顔が素敵で、周囲を和ませる平和な空気を持っている方」という印象を受けました。ただ、そんな人でも事前に聞いていた労働条件で働くことになったら、笑顔のない、潤いのない、乾いた日々を送ることになってしまいます。
Sさんが辞退された理由は、客観的に仕方のないことだと理解されるものなので、面接時にはその経緯をありのまま正直にお話されることをアドバイスし、エージェントである我々も企業側にその点をしっかりとフォローするよう心掛けました。
また、肝心な転職先選びについても、慎重に進めていきました。
新卒時の就活ではどうしても自分の身近なものを中心に、就職の軸を作ってしまいがちです。しかし、もう少し視野を広げて考えていくことで、「自分に合った仕事」の選択肢はグッと広がります。
Sさんの場合は動物に対する想いが強かったのですが、突き詰めると誰かの役に立ちたい・サポートしたいという思いが人一倍強いのだとわかりました。そこから、どんなお仕事が向いているのか、どんな社風の会社がいいのかを、より深く考えていけるようになりました。
とはいえ、新卒の就活ではなかなかそこまでイメージすることは難しいでしょう。だからこそ、我々のようなキャリアアドバイザーがいます。ご紹介した求人も、自信を持ってオススメ出来るものを厳選してご紹介し、無事に内定を頂くことができて本当に良かったです。
持ち前のコミュニケーション能力で活躍されることは間違いないでしょう。
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