就職浪人とは?選考に有利or不利?就活に悩む20代に第二新卒という選択
目次
就職浪人とは?
就職浪人とは、在学中に内定を獲得することが出来なかった、または獲得した内定を辞退するなどして、就職先を決定せず学校を卒業し、卒業後に就職活動を継続することを言います。
就職浪人をする人はこれまで、就職活動をすべき時期に就職を決められなかった存在として、求人募集の応募対象者から除外される傾向にありましたが、最近は少子化を背景に慢性的な売り手市場にあることから、多くの企業が人材の獲得に苦戦しており、就職浪人した既卒者やフリーターなどにも視野を広げ人材を募集する企業が増えてきました。
そのような背景もあり、就職浪人にとって以前ほど正社員になるハードルは高くありませんが、納得のいく就職を決定するために、いくつか留意すべきポイントがあります。<br />就職浪人の就職活動について、詳しくご説明したいと思います。
就職浪人はどれくらいいるのか
そもそも就職浪人をする人は、全国にどれくらいいるのでしょうか。
年度 | 卒業 | 就職 | 進学も就職も していない |
進学など その他 |
---|---|---|---|---|
平成26年3月 | 565,573 | 394,845 | 68,484(12.1%) | 102,244 |
平成27年3月 | 564,035 | 409,759 | 58,102(10.3%) | 96,174 |
平成28年3月 | 559,678 | 418,163 | 48,866(8.7%) | 92,649 |
平成29年3月 | 567,763 | 432,333 | 44,182(7.8%) | 91,248 |
平成30年3月 | 565,436 | 436,156 | 39,854(7.0%) | 89,426 |
表では、平成30年3月に大学を卒業した人の中で、7%が進学も就職もしていないという状況にあるものの、平成26年の12.1%と比較すると約5%も減っていることが分かります。
一方で、新卒の内定率が年々上昇傾向にあるように企業の旺盛な採用意欲が見てとれます。
冒頭に述べたように、慢性的な人手不足のなか、企業の採用意欲が旺盛な昨今においては、就職浪人をする人たちの中からも優秀な人材を見つけ出し積極的に採用していこうという企業がおのずと多くなり、就職浪人も内定が獲得しやすくなっています。
就職浪人のメリット
意外に感じられるかもしれませんが、就職浪人の就職活動においては、新卒就職活動にはないメリットがあります。3つのメリットについて詳しくご説明したいと思います。
時間をかけて専念できる
ご存知のように、新卒の就職活動は、会社説明会の開催時期や選考が解禁される時期が決まっています。ほとんどの企業は7~8月までには内定者を確保し、10月に内定式を実施するというスケジュールが一般的であるため、就職活動に取り組む学生の方も「期間内に内定を決めなければ」という意識が強くなりがちです。その結果、時間的な制約や焦りから不本意な内定であっても承諾せざるを得ず、就職後のミスマッチが生じやすくなります。
また、何よりも学業と就職活動を並行して進めていく必要があるため、スケジュール管理や時間配分などが大変になります。
一方で、就職浪人の場合は就職活動に専念することが出来ます。また、すでに卒業していることから、必ずしも新卒募集枠で応募する必要はなく、入社時期について柔軟な対応が必要となるキャリア採用枠での応募も可能となります。
就職決定する時期についても、新卒採用活動のスケジュールに煽られることなく、あくまでも自分の納得感を基準に決断すればよいわけですから、ミスマッチが生じることも少なくなることは言うまでもありません。
知識と経験を活かせる
就職浪人をすれば、一度新卒で就職活動をした知識と経験が思いのほか役に立つことになります。
就職活動に取り組んだことのない人は、世の中にどんな業界や職種があるのかすらよく分かっていない状態から就活をスタートします。その点、一度新卒で就活を経験しているなら、会社説明会に参加した経験などから、まったく知識がゼロというわけではありません。
また、選考面においても、SPIの準備や自己分析を一からやり直す必要がないので、新卒の就職活動に比べて土台がある状態でテストや面接に臨むことができます。最初は緊張で硬くなりがちな面接の雰囲気を既に経験し、慣れているというのも就職浪人の強みです。
せっかく経験があるわけですから、新卒時の就職活動の失敗から、何が良くなかったのか、改善点をきちんと見直して次の就職活動に活かしましょう。
実務経験ができる
「新卒の就職活動の時に、もっと早くインターンに行っておけばよかった…!」と思ったことはありませんか?
しかし、学業が本分である学生の場合は、まとまった休み期間でないかぎり、職場体験をすることは難しくなります。
その点、就職浪人の場合は、時間の余裕を利用してインターンに参加し実務を経験することができます。また、実際に選考を受ける企業の了承さえもらえれば、入社を決断する前に、実際に働く職場で「体験入社」することも可能です。実際の職場の雰囲気などは身を持って体験しないことには把握しづらいものですが、たとえ1日の体験入社であってもやるとやらないでは大きな違いがあります。こういった取り組みはミスマッチを事前に回避するうえで、大きな意味があるでしょう。
就職浪人のデメリット
では、就職浪人をする場合の、主なデメリットについてご説明します。
「新卒」という特権を失う
就職浪人をすると、「新卒」ではなくなり、「既卒」というカテゴリーで就職活動をすることになります。売り手市場で求人募集が増えているとはいえ、既卒者に対しネガティブなイメージを持つ企業は一定数存在します。「卒業して半年や1年程度経過しているくらいで変わらないだろう」と思われるかもしれませんが、新卒ではないというだけで応募不可とする保守的な企業が少なくないのです。特に人気のある大手企業などは、売り手市場の昨今でも受験志望者が多く、既卒にまで視野を広げて求人募集をする必要がありません。そのため、新卒採用やキャリア採用のみを行っている会社が大半なのです。
学校のサポートが受けられない
多くの大学には、「就職課」や「キャリアサポート室」など、学生の就職活動を支援する部署が設置されています。既卒であっても、卒業生であればサポートしてくれる大学もあれば、在学中の学生だけを対象とする大学もあるようです。エントリーシートの添削や面接対策、その他にも就職活動で分からないことについて聞ける場所があるというのは、実際に合否に関わるというだけではなく、精神的にも大きな支えになりますが、そういったサポートを受けられなくなるのは、就職活動をする上で大きなマイナスとなるでしょう。
精神的に辛い
就職浪人を含めた「進学も就職もしていない人」は、全国に7%いると述べました。ということは、それ以外の「進学もしくは就職した人」は93%いることになります。9割以上の人が就職や進学をしている中で就職浪人をすることは、孤独との闘いになります。自分以外のほとんどの人は社会人、もしくは学生や大学院生という肩書を持っています。学校を卒業し、どのコミュニティにも所属していない状態での就職活動は、時として孤独感にさいなまれることになりがちです。新卒の就職活動でさえ、落ち込んだり、心を折られる事が多々ある中で、就職浪人として、それを支えてくれる大学や、周囲に同じ境遇の仲間がいない状態で就職活動に取り組むことは、強い意志と精神力が必要になります。
就職浪人を決める前に。第二新卒という選択も
これまで、就職浪人のメリットとデメリットについてご説明しましたが、就職浪人をするには、それ相応の覚悟が必要となるでしょう。正社員雇用において年齢を気にする現在の日本の社会では、同じ年齢の人と比べて経歴にブランクがある就職浪人の人を採用するよりも、新卒か、社会人経験のある第二新卒やキャリアのみを採用対象とする傾向にあります。かといって、新卒で納得のいかない内定先に就職することをおススメすることもできませんが、就職浪人として就職活動に取り組む決断をする際には、メリットとデメリットから慎重に判断するようにしましょう。
ここまで、何度か第二新卒という言葉が出てきましたが、第二新卒とは何か、ぼんやり分かっていても具体的には分からない方もいると思います。
第二新卒は、既卒よりも企業に受け入れられる事が多々あります。では、第二新卒とは何なのか、またそのメリットについて具体的にご説明致します。
第二新卒とは
一般的に使われている「第二新卒」の意味は、就職してから3年未満の20代の若手社員で、転職活動を考えている(もしくはしている)人を指します。ただ、企業によっては細かい定義が異なるので、注意しましょう。
企業はこう見ている!第二新卒のメリット
では、第二新卒について、企業側からはどのような存在として見えているのでしょうか。
若いながら社会人経験を持っている
第二新卒は、短期間とはいえ社会人経験があるため、基本的なビジネスマナーや社会常識が備わっていると考えられています。企業側からすれば、ゼロから教えるよりも、ある程度の知識が備わっている状態から教えた方が、教育に充てる時間やコストの負担が減るため、就労経験のない就職浪人者よりも需要がある事は言うまでもないでしょう。
柔軟性と伸びしろがある
第二新卒は、就職して3年未満の若者であるとご説明しました。3年未満の社会人経験では即戦力とはなりえませんが、一方で、3年という短い期間であるため、前職での経験による癖のようなものが強くなく、新しい環境や社風に馴染みやすいと考えられています。会社が変われば社風や業務内容が変わります。前職の経験が長ければ長いほど、染みついた前職の考え方や業務の中での癖が拭えず、新しい会社に馴染むのに時間がかかってしまうのです。前職の経験が短く若い第二新卒は、新しい環境に適応しやすく、かつ社会人経験を役立たせることができるという柔軟性と伸びしろが強みになります。
就職浪人を早期に決断する前に広い視野を持ってみましょう!
新卒で手にしている内定がどうしても納得のいかないものでないのであれば、安易に就職浪人をするよりも、まずは就職し社会人となってから、目標とする企業が欲するようなスキルを身につけ、第二新卒として目標の企業にチャレンジするという手段もあることを、頭の片隅に入れておいてください。
第二新卒の転職については、『「第二新卒」とは?転職を成功させるための2つの対策』の記事でより詳しくご説明しています。
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