有給消化や退職金等のトラブルを回避して円満退社するには?
退職を決意!しかし会社から引き止められたり、有休消化、退職金などでトラブルが起こったりすることも……。そのような場合にトラブルを回避して、スムーズに円満退社するコツとは?詳しくご紹介します。
目次
スムーズに退職手続きが進むとは限らない
転職を決意するということは、人生において非常に重要なターニングポイントです。新しい世界で心機一転しようと思っていても、在籍している会社を退職するにあたって、トラブルが発生するケースが少なくありません。また、場合によっては、選考企業側に伝わる恐れもあります。
退職を認めてもらえないケースも
在籍している会社に退職する意思を伝える際に、もっともよく起こりうるトラブルが「引き止め」です。もちろん、その会社にとって必要な人材であることから、退職を引き止められるため、ある意味喜ばしいことかもしれません。しかし、それは度を越していなければの話です。なかには、退職を認めないと恫喝されたり、退職するのであれば損害賠償の請求を検討するなどの脅しをかけられたりする事態に陥ることがあります。
このような事態になると、弱者である労働者は退職が困難な状況になり得るでしょう。もし、そのような状態になった場合は、行政機関である労働基準監督署などに相談をしたうえで、解決を図っていく必要があります。労働者にとっては、精神的にも肉体的にも辛い状況となるケースがあります。
退職決定後にもトラブルの影がある
引き止めでトラブルが起きなかったとしても、その後の退職手続きにおいて、さまざまなトラブルが引き起こされるリスクがあります。
まず、起こり得るのは有給休暇の消化問題です。原則として、労働者が有給休暇を申請した際には、特別な理由をのぞいて拒否することができません。さらに、拒否された場合であっても、他の日に取得することを会社側はお願いしなければなりません。そのため、労働者が退職をする際には、有給休暇をすべて消化して退職するのが慣例となっている会社は少なくありません。しかし、円満退社でない場合は、これを違法的に拒否するケースが見受けられます。
また、会社として退職金制度がきっちり制定されているにもかかわらず、支払われなかったり、不当に減額されたりするケースがあります。ただし、規定において「勤続年数〇年以上」「自己都合退職の場合は○割減」というように明記されている場合は、違法ではありません。社内規定をしっかり確認しておくようにしましょう。規程違反で退職金が減額された場合などは、同様に労働基準監督署に相談しましょう。
円満に退職するために注意すべきポイント
前述したようなトラブルは、必ず起こるとは限りません。むしろ、円満退社が成立していれば、本来なら起こり得ないことともいえるでしょう。在籍している会社とのトラブルを避け、円満に退職するためのポイントをご紹介していきます。
いつまでに退職の意思を伝えるとよいか
民法上は、例えば給与が末締めで月給制の場合、その月の前半に申し出れば月末に、後半に申し出た場合は翌月末に退職できると定められています。しかし、多くの企業では社内規定において、退職日の1~2ヶ月前までに申し出るように定められています。これは厳密には法律違反であるため、労働者としては民法上のルールが適用されることとなります。しかし、法律で定められているからと対立してしまうとトラブルに発展する恐れがあるでしょう。
そのため、円満に退職するためにも、できる限り社内規定に沿った期間で退職の申し出をするのが得策です。さらに、手持ち業務の引き継ぎ等を考慮して、退職日の3ヶ月前には、退職の意思を伝えるようにしておくとさらによいです。会社側としても、後任を探す猶予が生まれるため、トラブルなりにくいでしょう。
有給消化や退職金のトラブルを避けるために
退職日を早めに申し出ておき、引き継ぎ等の時間がしっかりと用意できれば、退職前に有給消化をしやすい環境を整えることができます。早めに退職の意思を伝えることで、有給消化する余裕を作り出すことができます。
退職金についてトラブルを避けるためには、社内の退職金規定をしっかりと読み込み、自分の退職金がいくらくらいになるのかを人事部に確認しておくようにしましょう。また、退職金の規定がされていなくても、慣例として退職金のようなお金が支給される場合があります。このような場合も、事前にしっかりと確認しておくことで、退職金について不当な減額や不支給が行われないよう手回しをしておくとよいでしょう。
お互いに気持ちのよい円満退社を目指そう
退職時のトラブルを避けるためには、社内規程よりも早い段階で退職日を申し出るようにするとよいでしょう。会社側としても、後任を探す時間や引継ぎの時間をじっくりとることができるのでトラブルを避けやすいです。退職時のトラブルは選考企業側に伝わる場合もあるので、お互いが気持ちよく円満退社できるようにしましょう。
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